レコ店主の言葉と、Trash Can Sinatras「Cake」の思い出話

the Trash Can Sinatras / Cake (1990)

「よしのぶ君!今は好きになれないかも知れないけど、これは絶対買っておき!」

学生時代から良く通っていた、レコ屋の店主が掛けてくれた言葉です。

「ギターポップ・ジャンボリー」本に掲載されている数々の”名盤たち”を聴かせてもらっても、レコードを買い出した頃は”ピン”と来てませんでした。
当時私は、疾走系でクラブヒッツなギターポップ~パワーポップ系に傾倒していました。
なんというか…「ネオアコ=湿っぽい」印象だったのです。

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そんな折、上記の再発盤がリリースされました。
レコ棚に掲げられた価格は「3400円(再発盤・新品・当時)」で、"高いなあ"という印象。

店主は当然、私の趣向を知っていたので、あえて冒頭の言葉が出たのだと思います。

「今は好きになれないかも知れないけど、これは絶対買っておき!」

蒼かった私は、店頭でそれを聴いても…なんかイマイチで。”即買い!…では無いなあ”とは思いつつも購入に至りましたが。購入後も特に傾聴することもなく、程よく寝かせておりました。

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後日とあるイベントにて。
フロアに流れた[Obscurity Knocks]のイントロで、”なんだこの琴線に触れるメロディは!ツボかも。”と思い、ブースのDJ氏にジャケットを見せていただくと…幻想的な空模様のジャケットが登場しました。
…「あ、これオレ持ってるわ!」。

それからというもの、この1stは家でも良く聴いたり、DJするときも頻繁に掛けました。
レコードのA面から針を落とすと、少しザラついたスクラッチノイズが聴こえてくるのは、”奇跡の一曲目”を聴き込み過ぎたせいかもしれません。

そんな思い入れも含めて、自分自身の名盤へと成りつつあります「Cake」への思い出話でした。



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