映画「T2:トレインスポッティング2」を劇場にて観てきました


Choose life (人生を選べ)

「トレインスポッティング」の続編、「T2:トレインスポッティング2」を劇場にて観てきました。

前作「トレインスポッティング」・・・自分が高校生の頃に観て以来、自身の感性に対して大いなる影響を与えてくれた映画でした。
サントラから始まり、ポスター、Tシャツ、マグカップ…あらゆるものに毒され、内容から醸し出されるその刹那なカルチャー感は、自分の青春時代に見ておいて良かったと思う貴重な作品でした。

一昨年に、続編「T2」が制作されると知って、良くも悪くも、前作「トレインスポッティング」の思い出が美化されすぎて「続編を観るのが怖い」という印象でした。


あれから20年。
結論から言うと、「前作に感化された人は、観ても損しない!」と言えます。
過ぎ去った月日を”ノスタルジア”で語るのではなく、自分と同じく主人公たちも「20年という人生」を過ごし、今を(あのころのように泥臭く)生きてる様が描かれています。琴線に触れる作品です。



ストーリー紹介は置いておいて、印象的だったシーンを少しばかり。
(以降、ややネタバレ感あり)

仕事先のオランダから、実家に立ち寄った主人公(レントン)。かつての自分の部屋が変わっていないことを父親に教えてもらいます。
扉を開けると、そこは当時の…あの汽車の壁紙が張られた部屋のまま!
中に入り、おもむろに1枚のレコードを取り出し針を落とします。そして、流れ出したその曲とはこれだ↓

しかし、イントロの1秒のみ聴くと、サッと針を上げて、レントンは苦悶の表情に変わります。
思わず笑ってしまった。過去は振り返りたくないのかなー、分かるなー!


また別のシーン。
前作では、レントンが吐く「スコットランドなんてクソくらえ!」という、個人的ベストシーンが展開される「2時間おきにしか電車が止まらない田舎駅」。
今回はトミーの追悼に来た、主人公たち3人(レントン、スパッド、シックボーイ)で訪れます。ここ、前作とほぼ同じ構図でハイランドをバックに、駅ホームへ降り立つんですよ。
このシーンでちょっと感涙。


もうひとつ。
「T2」では重要なシーン(?)で、過去の場面がシームレスにフラッシュバックするんですが、それは映像ではなく、ある音楽で表現されています。それがこれ↓

前作を観た人にとっては象徴的でしょう、この曲は。
Under world「Born slippy」のイントロの一部をサンプリングして、過去の出来事、感情、そして嫌悪感を表現しています。この表現には鳥肌立ちました。


最後に。
初登場であるもう一人のキーマン、ベロニカが放つこのセリフ。
「あなたたちは、過去に生きているのよ!」
ガーン。自分に言われた気がする。

「トレインスポッティング」の共通テーマでもある、「Choose life (人生を選べ)」。
高校生時代の自分から見たとき…理想的な人生になってるかな、TVは買えたかな、家族は手に入れたかな、あれから20年上手く歩んでこれたかな。
彼らの選んだ未来と、自分の未来はどうだろう。「前を向いて過去を振り返る」という少し矛盾するような感情に浸れた映画でした。

もう一度言う、前作を見た人にはオススメです。そして感想も聞いてみたいですね。


※前作を予習して見に行くと良いよ。自分はAmazonビデオで予習していきました。細かいところで忘れていた場面が多かった。あんなに好きだったのに(笑)

映画『T2 トレインスポッティング』 | オフィシャルサイト
http://www.t2trainspotting.jp/

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